左ハンドルあるある

初デートのために、髪を切った、服も買った、念の為にドラッグストアでアレも買った、そして、奮発してレンタカーも借りた。
レンタカーで彼女を迎えに行くと、
彼女、「凄いじゃん」
彼女は左ハンドルのレンタカーを、メッチャ喜んでくれた。
私、「何処に行きたい?」
私としては、「何処でも良い」との返事を期待していたのだが
彼女、「〇〇号線を通って、△△に行きたい」
すっげえ、具体的と思っていると
彼女、「元カレと良く行ったの」
そんな話は聞きたくなかった。

しかし、慣れない左ハンドルの運転で、気分転換が出来、目的地である△△に無事着くことが出来た。
私、「キレイなところだね」
彼女、「夜はもっとキレイだよ」
私、「元カレとは夜に来たの?」
彼女、「うん」
聞くんじゃなかった。

彼女、「元カレとは、あのホテルに泊まったの」
そんな話、聞きたくない。

テンション、ダダ下がりの私に
彼女、「歩こうか?」
私、「うん」
歩き出して暫くすると、
彼女、「あっ、車の中にバックを置き忘れたから取って来る」
バックを取って来た彼女、「左ハンドルに気付かず、運転席側のドアを開けちゃった」
私、「僕も同じ間違いをした」
彼女、「運転席側のロックをしておいたからね」
私、「ありがとう」

戻って来た彼女は、私と手を繋いでくれた。
手汗を意識したのは、その時が生まれて初めて。
彼女、「寒いから車に戻ろう」
手汗をかいている私は全然寒くなかったのだが、大事な彼女に風邪を引かせるわけにはいかないため車に戻った。
彼女、「あー、寒い、早く開けて」
私、「・・・」
彼女、「何してるの?早く開けてよ」
私、「車のカギが無いんだ」
彼女、「カギなら運転席に付いてるじゃない」
シマッた!

バックを取りに戻った彼女が、カギが付いていることを確認せずロックをしてしまった。
先ほどまでは手汗をかいていた私は、額から脂汗。
彼女、「どうすんのよ!」
服を買う、レンタカーを借りるなどお金を使ってしまっていたため、鍵屋さんを呼ぶお金が残ってない。

仕方がないため、
私、「お金を貸して」
彼女、「はあー!?」
彼女とは、それっきり。
これをキッカケに、車を運転する際は、サイフに鍵屋さんを呼べるだけのお金を入れておくようになった。